2008年6月10日(火) 11時30分

マヤ・ホテル1階にあるレストランで早めの昼食をとる。
薄暗い店内に暇そうに客席に座っていたウェイターが、キリリと立ち上がり、エアコンとファンのスイッチを入れて、お持て成しモードに早変わる。
店内は清潔で、アジア風なのか、インド風なのかタペストリーがおしゃれに飾られていた。
僕はウェイターのお勧め料理とビールを注文した。
ビールはインドに来てから始めて飲んだ。
たった3日ぶりなのに、1ヶ月ぐらい飲んでいなかったみたいに一気に飲み干し、もう一本おかわりした。世界中、どこでもビールだけは最高に美味い。
イスラム国家では、お酒が飲めないが、堕落すると言われてもお酒だけは止められない。恐らくイスラム原理主義国家には到底お邪魔できそうもないとこの時、確信した。
カレーの味は。欧米人の観光客がよく利用するホテルのレストランらしいマイルドなカレーだ。
僕の舌と胃袋は完全に冒険心を失ったらしい。ローカル仕様のカレーはどうにも堪えられない辛さなのだ。
こんな日本のインド・カレー専門店でも食べられるような普通のカレーでも充分に満足してしまう。
ホテルはともかく、レストランだけは



を挙げよう。
カレー、チャパティ:90ルピー涼しい店内でチャイを啜りながら、これからの予定を練っていると、アグラー駅からホテルまで運んでくれたリキシャーマンのアリ・カーンがズカズカと入ってきた。
”これからどうするんだ?”
”どこに行く?”
”
タージマハルの夕暮れは綺麗だぞ”
”絶好のビューポイントがあるんだ”
・・・・
などなど、一方的に捲くし立てる。煩い奴だ。
インド広しと言えどもアグラーのリキシャーマンのしつこさはNo1だね。
面倒なので、値段を聞いてみたら、
タージマハルまで連れて行って、それから、川を渡った
タージマハルの反対側の夕暮れビューポイントまで走って、そしてホテルに戻って全部で
500ルピーと抜かしやがる。
デリーからアグラーまで食事付きで375ルピーなのに、なんで数キロ走るだけで500ルピーなんじゃ。

話にならない値段なので、No、No、Noを連発する。
”一体幾らだったらいいんだ?”としつこく聞くんで、別に
タージマハルの裏側のビューポイントなんか行きたくないんだよ。
タージマハルまで行って帰って往復40ルピーだけ。
アリカーンは信じられない、といった顔していたが、結局、
タージマハル往復40ルピーで手を打った。
僕の勝利だ。

第一、リキシャーマンを待たせたままで観光なんで気を使って楽しめない。
値段の問題ではないのだ。メンタルの問題なのだ。
自分のペースで観光する。
これが僕の旅のルールだ。
13時
アリカーンではなく、アリカーンの兄貴だという男がやってきてオートリキシャーで
タージマハル入り口まで連れて行ってくれた。
タージマハル入場料:750ルピーインドの物価相場からして、この入場料はべらぼうに高い。
名目としてはインドの歴史考古学に研究に対する寄付だそうが、どうも外国人とインド人では料金が違うようだ。要は国家ぐるみのボッタクリ商法だ。
圧倒的にインド人見学者の数が多い。平日だがインド人家族が多いということは、子供達が夏休みなので家族旅行で
タージマハル見学といったところでしょうか。
テロ警戒のため、入場チェックは非常に厳しい。
バック類は持ち込むことができない。事前にその情報が分かっていたので、ショルダーバックはホテルに置いてきて、財布とパスポートとカメラだけ持って入場した。
ここに限らずインドの観光施設、ヒンドゥー寺院のセキュリティーは非常に厳しい。
入場の際、手荷物を預けなければならない場合があるが、預けた荷物が帰って来ない、法外なチップを要求されたなどのトラブルの話(僕も履物を預けただけで200ルピーも要求された)が絶えないので、最低限の貴重品のみで訪れることをお勧めする。

入場して最初に目に飛び込むのは
タージマハル正門である。
赤茶色の石を精工に加工、積み上げられて作られている。
この門だけで世界遺産でもおかしくないくらい、巨大、かつ、精密、豪華な門だ。
建築は全くの門外漢であるが、半端でない技術で作られていることぐらいはわかる。この当時(1631年〜1653年制作)のインド人の建造技術は、同じ時代のヨーロッパと比べても世界一だったのではないだろうか。
日本では江戸時代、3代将軍徳川家光の時代である。

これほど精密な建造物を作る、嘗てのインド人と、その子孫たるインド人が作った廃墟のようなニューデリー市内を見ると、とても同じインド人が作ったものとは思えない。
イスラム国家のムガール帝国とヒンドゥー教の違いなのだろうか?
それともこれを作った王様の病的に精密さに執着した性格のなせる業なのか?


この日のアグラーの気温は、38度。建物をじっくりと眺めたい気分にはなれない気温である。
インドでは始めて経験する塵一つ落ちていない空間だ。
アグラーもデリーほどではないが、程よく汚く、牛もいるし犬もハエもたくさんいるが、ここだけが別世界なのだ。
世界遺産なんだから当然と言えば当然だが、こうも整然としていると、どこかに

ウンコが落ちていないか探してしまう。
あったら面白いなぁ・・などアホな期待をする。
あればあったでブヒブヒ不機嫌になるのに、無いと妙にインドらしさが失われて寂しくなる

ウンコ。

正門をくぐると、
タージマハル廟が見えてくる。(引っ張るねぇ)
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